子どもがかわいいと思えないときはありませんか?
子育てがつらいと感じたことは?
その悩みはあなただけでなく、非常に多くのお母さんたちが感じています。
この記事ではどのようなことを育児のストレスとして抱えているのか、そしてお母さんたちが陥っている育児の悪循環を明らかにします。
最後に、日々懸命に頑張っているお母さんたちの心身の健康を救う方法を考えましょう。
子育ての悩みは深刻になりがち
子育てに関する悩みは深刻化しやすいです。
その理由は、大きく2つあると考えられます。
- 子どもの特性が関係しているから
- 周囲の理解度が関係しているから
子どもには様々な特性があり、性格をはじめとして、こだわりの強さや衝動的な行動、パニックのなりやすさ、コミュニケーションの取りにくさなどがあります。
しかし、お母さんがどれだけ努力して子どもへの関わり方を工夫したとしても、子どものもつ特徴や特性が急に変わることはありません。
お母さんが必死になって子どもに関わってもそれが上手くいかないとき、「疲れる」「子育てってつらい」と感じるのではないでしょうか。
さらに、自分は努力して子どもに接しているのにも関わらず、周囲からは「お前のしつけ不足だろう」と言われたり、「頑張りが足りないんじゃないか」と言われたりするようなことがあれば、気が休まることはありません。
自分の努力次第で何とかなったり、周囲の理解を必要としないのであれば、そこまで深刻な悩みにはならなかったでしょう。
子育ての悩みは、自分の努力だけではどうしようもできず、周囲の目や理解度なども関わってくるため、深刻化して悩みが深くなり、「このままで良いのかな・・・」といった不安や自信のなさに繋がりやすいといえます。
子育て中に抱えやすいストレス
子育て中に感じるストレスは、育児ストレスと呼びます。
2015年に行われた調査によると、お父さんの中で育児ストレスを感じる割合が60%だったのに対し、お母さんは84%も育児ストレスを感じていることが示されました。
お母さんが抱えやすいストレスとしては、次のようなものが多いようです。
- 子どもが理解できない
- 子育てに自信が持てない
- どこに相談したら良いかわからない
- 自分の時間が持てない
- 疲れていても休めない
- 子どもを任せられる人がいない
- 睡眠不足
- 周囲(家族や学校、園など)に理解してもらえない
- 自分のしつけのせいだと責められる
つまり、お母さんたちは子育てに心底疲れていても休めず、睡眠もなかなか取れずにおり、子どものことで悩んでいるのに周囲からの理解も得られないということになります。
とてもしんどい状況ですよね。
特に、「疲れ」というものは、子育てにおいてやっかいなものです。
疲れによる悪循環
疲れがあると、人は余裕を失います。
普段ならしないようなミスをしたり、約束を忘れてしまったり、些細なことで怒りやすくなったりもします。
25~45歳の既婚男女700人への調査によると、お母さんの57%が「つい些細なことで子どもに怒ってしまった」と回答しています。
つまり、子育てを行っている状況では、実に半数以上のお母さんが気持ちを抑えることが難しくなり、つい怒ってしまっているのです。
疲れなどによる余裕のなさは、怒りの沸点を下げてしまいます。
寛容度や許容度を下げるとも言えるかもしれません。
普段であれば「まぁいっか」と流せることであっても、余裕を失っている状況だと気になってしまうのです。
その結果、ついつい子どもに怒ってしまうことになりますが、怒られても子どもは解決に向けてすぐ行動できません。
お母さんに怒られたことに対して反論したり、泣いたり、怒ることはできますが・・・。
お母さんたちを苦しめている悪循環について、具体的な例を見てみましょう。
例えば、もう家を出なければならない状況を考えてみてください。
園の送迎バスがやってくる、病院の予約時間に間に合うように行かなければならない・・・様々な状況が想像できますね。
そのような状況では、時間的な余裕を失っているといえます。
余裕がなくなることで何が起こるかというと、寛容度や許容度が下がります。
つまり、時間に対する許容度が下がって時間に厳しくなっています。
そのようなときに、まだ準備が終わっていなかったり、おもちゃを片付けずに遊んでいるわが子を見たら・・・ついかっとなって怒ってしまっても不思議じゃないですよね。
ですが、子どもはお母さんから「はやく準備しなさい!」と怒られても、すぐに準備することはできません。
子どもからすると大好きなお母さんから怒られたことになるので、気持ちが混乱してしまいがちです。
泣いたり、怒ったり、反論することが多発します。
いずれにせよ、すぐに準備が終わることはないので、そのことが余計にお母さんに時間の余裕を失わせます。すると、時間に対する許容度がさらに下がっていくという悪循環になるのです。
お母さんの心の健康のためには、この悪循環を断たなければなりません。
愛情や価値観+余裕のなさ=怒りっぽさ?
子育てによる疲れの悪循環には、もう1つ大切な要素があります。
それは、子どもを大切に想う愛情や、お母さん自身の価値観です。
余裕のなさが許容度を下げ、つい怒ってしまうことにつながると説明しました。
ですが、そもそも子どもを怒ってしまうのは、お母さんに子どもへの愛情があるからです。
「ちゃんとした子に育ってほしい」「しっかりとした人になってほしい」「時間を守れる人になってほしい」という気持ちや考えがお母さんにあるからこそ、つい「早くしなさい!」と怒ってしまうことになります。
「子どもをかわいいと思えない」「大切になんて思えない」というお母さんもいるでしょう。
そういったお母さんは、自分の中にある価値観と目の前にいる子どもとの間にギャップがあるからつい怒ってしまっているかもしれません。
「ちゃんとしたお母さんでありたい」「しつけができるお母さんと見られたい」「周りから一目置かれる人でありたい」「いつでも自分には余裕を持っていたい」「自分の時間を大切にしたい」など、様々な価値観や大切にしている考え方がたくさんあります。
以上のような子どもを大切に想う気持ちや価値観があるからこそ、「まだ外に行く準備ができていないわが子」を見たときに、「ちゃんとした子に育ってほしい」「自分の時間を大切にしたい」といった愛情や価値観とのギャップによって「早くしなさい!」とつい怒ってしまうわけです。
今一度、自分の中にどのような子どもへの想いがあるのか、どのような価値観が自分にはあるのかを考えてみると、「あぁ、だから子どものこの行動があんなにイラッとしたのか」と納得できるかもしれません。
ついつい怒ってしまうよりは、納得して(?)子どもに怒ることができるかもしれませんよ(半分くらいは冗談です!)。
悪循環を断つためにできる3つの方法
悪循環を断つための方法として、次の3つを順番にご紹介します。
- 人的サポート
- レスパイトケア
- ペアレント・トレーニング
人的サポートとレスパイトケアは、お母さんの余裕のなさに効果的なサポートやサービスです。
余裕を取り戻すことができれば、お母さんの寛容度や許容度は増すでしょうし、心理的・身体的な健康も保たれます。
ペアレント・トレーニングは子どもへの対応方法を身につける方法で、それは子どもに余裕をもって対応できることに繋がります。
さらに、つい怒ってしまいそうな場面であっても、適切な対応を子どもに対して行えるようになることが期待できます。
人的サポート│人によるお母さんと子どもへの親子サポート
人的サポートとは、専門家をはじめとした人によるお母さんと子どもへの親子サポートです。
以下の4つが主な人的サポートです。解説していきますね。
- 発達クリニックなどの病院のサポート
- 児童発達支援および放課後等デイサービスなどのサポート
- 親の会
- ペアレントメンター
発達クリニックなどの病院のサポート
一番当てにならない(!)のが発達クリニックなどの病院によるサポートです。
どうして当てにならないのかというと、基本的に発達クリニックは完全予約制であり、お母さんが一番しんどく、病院にかかりたいと思った時に診察してもらえないからです。
新患の予約受付の日が決まっており、その日はまず電話しても繋がりません。
ですが、もし予約を取ることができれば、医師による診察や薬の処方、専門職によるセラピーを受けることができます。
お母さんの抱えている心配事や相談事を余すことなく伝えることもできます。
ですので、少しでも心配なことがあるのであれば発達クリニックの新患予約日に電話をしてみると良いでしょう。
電話が運良く繋がったとしても、実際の診察日は2~3ヶ月後ということもあります。
悩みが深刻になる前に、まずは電話をして診察日を確保しておくことをおすすめします。
新患の予約日は発達クリニックのホームページなどに記載されているので、調べてみてくださいね。
児童発達支援および放課後等デイサービスなどのサポート
児童発達支援および放課後等デイサービスは、児童福祉法に基づいて行われている事業です。
児童発達支援は未就学児の幼児を対象としており、放課後等デイサービスは小学校~高校に就学している子どもが対象です。
いずれの事業も支援の対象となる子どもが円滑な日常生活や社会生活を送ることができるよう、年齢に応じた活動を通じて自尊心を育み、生きる力・育つ力を養うことを目的としています。
子どもへの支援と併せて、保護者や家族への相談支援も行っています。
児童発達支援と放課後等デイサービスを2つ併せて「児童デイサービス」と呼ぶこともあり、基本的には保育士や公認心理師、作業療法士、言語聴覚士などの専門職が専門的な支援サービスを親子に提供します。
・・・というのが建前です。
実際の児童デイサービスは、専門職がいても適切なサービスが提供されていなかったり、専門的なスタッフがいない場合もあります。
玉石混交の状態になっているのが今の児童デイサービスの現状です。
しかし、もちろん中には専門職を配置し、充実したサービスを提供している事業所も存在しますので、その見分け方をお伝えしておきます。
- 病院やクリニックに併設されている事業所であること
- 活動スケジュールが設定されていること
1つ目の「病院やクリニックに併設されている事業所」というのは、まず間違いなく専門的なサービスが提供されています。
医師の指示のもと、事業所が運営されていることが多いためです。
もし子どものことで心配なことがあるのであれば、そういった児童デイサービスを探して「見学したい」「利用したい」といった電話をしてみると良いと思います。
児童デイサービスは、利用定員数が決まっているので空きがなければ利用できません。
しかし、定員数の関係で利用できなかったとしても見学はできる可能性が高いです。一度、しっかりとした運営がなされている事業所を見ておくことは、その後の事業所選びに役立つはずです。
2つ目の「活動スケジュールが設定されていること」というのは、活動内容が明確に決まっており、ただのお預かりではないことを意味します。
玉石混交の児童デイサービスですので、ただ子どもをお預かりし、自由に遊ばせたりビデオを見せておくだけの事業所もあります。
お母さんがそれでも良いというのであれば問題ありません。
しかし、もしも子どもに専門家による支援を受けさせたいと考えるのであれば、活動スケジュールが明確に決まっている事業所が良いでしょう。
活動スケジュールが決まっているかどうかは、見学をすることでわかるかと思います。
まずは興味のある事業所へ「見学をしたい」と連絡することが第一歩になります。
なお、見学をして実際に事業所を利用する際には自分が住んでいる自治体の福祉課に連絡し、必要な手続きを取らなければいけません(受給者証の取得)。
手続きに時間がかかる場合もあるので、子どものことで心配なことがあるのであれば、早めに事業所の見学をしておくと良いかもしれません。
親の会
親の会とは、厚生労働省の説明によると「病気や障害のある子をもつ親たちを主な構成員として組織された団体」といわれています。
お母さんたちが、自分だけで子育てや子どものことに関する悩みや辛さを抱え込んでしまわないようにすることを目的として、多くの親の会が存在します。
親の会は特定非営利活動法人(NPO法人)であったり同様の大きな法人や団体であることもありますが、小学校の特別支援学級の親同士が作る小さなものもあります。
大きな法人による組織では、専門家を招いて講演会をしたり発達障害に関連した映画を上映したり、子育てや子どもに関する有意義な情報をまとめた会報などを発行しているところもあります。
もちろん、子育ての愚痴や自分たちの経験談を話すといった「お話し会」のようなものも定期的に行っています。
親の会の活動によって、愚痴れる仲間や友達と巡り会えたり、「一人で抱え込まなくても良いんだ」と実感できることもあると思います。
子育てに役立つ情報が頻繁に手に入ることも、大きなメリットです。
多くの悩みや辛さを抱えているお母さんにとって、親の会はとても頼りになる存在であるとともに、自分の居場所だと感じる人もいるでしょう。
一方で、親の会にはデメリットもあります。
- 入会金や年会費がかかる場合がある
- 組織運営のための事務仕事をしなければならない場合がある
入会金や年会費は、親の会がNPO法人などの大きな組織である場合に必要なことが多いです。
親の会のホームページなどで事前に確認しておきましょう。
「入会のご案内」などに記載されていると思います。
もう一つのデメリットが事務仕事をしなければならない場合があることです。
これに関しても、入会する際にどんなことをする必要があるのか確認しておくと良いでしょう。
ちなみに親の会の探し方は、「親の会 お住まいの地域名」で検索すればいくつか出てくるはずです。
私は札幌市に住んでいるので、「親の会 札幌」と検索すれば北海道の行政がまとめているサイトがヒットしますよ。
お母さん自身の目的に合わせて、親の会を活用してみてください。
デメリットを理解したうえで利用するのであれば、大きな力になってくれるでしょう。
ペアレントメンター
ペアレントメンターとは、地域で実際に発達関連の特性をもつ子どもを育てた経験をもつお母さんが、今悩んでいるお母さんの気持ちに寄り添い、話を聞いたり、具体的なアドバイスをするという制度です。
ペアレントメンターは、悩みや辛さを抱えているお母さんたちからすると先輩お母さんのような存在ですが、養成研修などを受けていますので完全な素人ではなく、とても頼りになる人たちです。
しかし、ペアレントメンターの制度を利用するには、お母さんたちが日頃通っている関係機関や支援機関(例えば、相談支援事業所や児童デイサービス、児童相談所など)を通して申込みをしなければいけません。
個人での申込みには対応していないので、もしペアレントメンターのお母さんに話を聞いてほしいと感じるのであれば、関係機関のスタッフに「ペアレントメンターを利用したい」と伝えてください。
ちなみに札幌市では、学習障害児・者の親の会が市から委託されてペアレントメンターの制度を実施しています(NPO法人北海道学習障害児・者親の会クローバー)。
利用は無料ですし、ぜひ活用してみてくださいね。
子どものための制度ではなく、子育てに悩むお母さんのための制度であることから、個人的には一番おすすめです!
レスパイトケア
レスパイトとは、「小休止」「一息つく」という意味の言葉です。
レスパイトケアは、子どもを一時的に預けることで、お母さんなどの子どもの家族が休息を取り、一息つけるようにするためのものです。
休みなく続く子育てだからこそ、お母さんが休息を取り、リフレッシュすることは非常に重要です。
余裕のなさがつい怒ってしまうことに繋がると説明したように、休息を取って余裕を取り戻すことは親子にとってもメリットになるでしょう。
レスパイトケアには、以下の6つがあります。
- ショートステイ
- 日中一時支援
- ホームヘルプ
- 児童発達支援および放課後等デイサービス
- 移動支援
- 一時預かり事業
ショートステイ
ショートステイは短期入所とも呼ばれ、障害者総合支援法に基づいたサービスです。
障害のある人を自宅で介護する人が病気などの場合に、障害者支援施設や児童福祉施設などへショートステイし、入浴や排泄、食事などの必要な支援が行われます。
ショートステイは宿泊を伴うことが大きな特徴で、最大で連続30日間利用することができます。
介護者が病気や体調不良、出張、旅行、休息を取りたいなどの理由によって利用可能です。
サービスを利用するには、自治体の福祉課に連絡し、必要な手続きを取らなければいけません。
どこの施設でショートステイを利用できるのかどうかは、「ショートステイ お住まいの地域名」で検索すれば出てくると思います。
日中一時支援
日中一時支援もショートステイと同様に、障害者総合支援法によって行われているサービスです。
障害のある人の家族の一時的な休息のため、障害者支援施設や児童福祉施設などで障害のある人の日中活動の場を確保し、預かりの支援を提供しています。
ショートステイとは異なり、宿泊はありません。
日中一時支援はお母さんのレスパイトケアを目的としているため、スケジュールが決められて取り組むことが明確になっている児童発達支援や放課後等デイサービスとは異なり、楽しく遊んだり、落ち着いて過ごすことがメインになっています。
サービスを利用するには、自治体の福祉課に連絡し、必要な手続きを取らなければいけません。
詳しくは、日中一時支援のサービスを提供している事業所に問い合わせてみると良いでしょう。
「日中一時支援 お住まいの地域名」で検索すれば出てきますよ。
ホームヘルプ
ホームヘルプは居宅介護とも呼ばれ、障害者総合支援法に基づいて行われているサービスです。
自宅にヘルパーが訪問し、入浴や排泄、食事などの介助を行う支援になります。
利用するには、自治体の福祉課に連絡し、必要な手続きを取らなければいけません。
ホームヘルプを提供している事業所に問い合わせてみることも良いでしょう。
児童発達支援および放課後等デイサービス
既に人的サポートでご紹介した児童発達支援および放課後等デイサービスですが、お母さんの休息を目的とするレスパイトケアもサービス内容の1つです。
児童発達支援が未就学児の幼児、放課後等デイサービスが就学している子どもを対象としています。
事業所に通所するという点において日中一時支援と同じですが、何をしても良い日中一時支援に対して、児童デイサービスは行うサービスの内容が明確に決まっており、支援内容も子どもの発達に基づいて定められていることが多いです。
利用するには、自治体の福祉課に連絡し、必要な手続きを取らなければいけません。
移動支援
移動支援は、障害者総合支援法に基づいて行われている支援になります。
移動が困難な人は、ガイドヘルパーによる外出の支援を受けることができます。
冠婚葬祭や投票などの社会生活を営むうえで必要な外出や、イベントなどの余暇活動、お住まいの自治体によっては通学・通園にも移動支援を利用できます。
ちなみに、札幌市は通学で移動支援を利用できます。
子どもの通学には原則として保護者が付き添うことになっていますが、毎日子どもの通学に付き添うことは現実的に困難でしょう。
家事や仕事で手が離せない場合にも利用できるため、上手く活用できるとお母さんの時間を確保できます。
お母さんが万が一のときでも移動支援を利用することはできるので、住んでいる自治体に利用条件の確認をしておくと良いと思います。
移動支援に似たサービスとして、同行援護と行動援護があります。
同行援護は視覚障害のある人を対象とした移動支援のサービスで、行動援護は重度の知的障害や精神障害のある人を対象とした移動支援です。
利用するには、自治体の福祉課に連絡し、必要な手続きを取らなければいけません
一時預かり事業
一時預かり事業は児童福祉法に基づいたサービスで、未就学児向けの支援サービスです。一時保育とも呼ばれます。
お母さんが子どもを見ることが一時的に困難になった場合に、保育所や幼稚園、認定こども園、地域子育て支援機関などが一時的に子どもを預かります。
利用できる理由としては、お母さんの就労や災害、事故、出産、冠婚葬祭、看護・介護、心理的・身体的な負担の解消(リフレッシュ)とされています。
利用するには一時預かり事業を行っている幼稚園などに問い合わせをする方法がありますが、自治体に問い合わせたほうが詳しく案内をしてくれると思います。
レスパイトケアまとめ
6つのレスパイトケアをご紹介しました。
ご説明したように、それぞれのサービスは児童福祉法や障害者総合支援法といった法律によって定められ、運営されているサービスです。
つまり、忙しい子育てに追われるお母さんたちが休みを取ることは国によって認められています。
お母さんの中には、「子どもを安心して預けられる人なんていない」「お母さんである私が子どもを預けることに罪悪感がある」という人もいるでしょう。
ですが、休みを取ることはお母さんに心理的・身体的な余裕を生みます。
その余裕は、子どもと関わるときにも余裕をもたらすでしょう。
普段生活を送る中でこういったお母さんをサポートするためのサービスには気づきにくいですが、確かに存在するサービスです。
いずれのサービスも費用はかかりますが、福祉サービスですので原則として1割負担で済みます。
ぜひともお母さんたちの心と体の健康ために、検討してみてください。
自分の住んでいる地域にどういったサービスと事業所があるのかを調べてみるのも良いと思いますよ。
ペアレント・トレーニング
子どもとの関わり方を専門家から学ぶ方法で、親訓練と呼ばれることもあります。
ペアレント・トレーニングは子どもを対象としたものではなく、その親を応援するためのものです。
子どもが周囲を困らせる行動を理解し、お母さんは子どもに対してどのような対応をすれば良いのかをグループや個別で学びます。
自治体や病院、大学、児童デイサービス、親の会などが、数日間のプログラムとして開催することが多いです。
地域にある親の会や児童デイサービスでペアレント・トレーニングが行われていないか調べてみると良いでしょう。
書籍も数多く出版されているので、まずはそこから触れてみるのもありだと思います。
ちなみにこのサイトで扱っている記事は、全てペアレント・トレーニングでも扱う内容です。
他の記事をいくつか見てみて、自分に合いそうだなと思ったら書籍や実際のペアレント・トレーニングを受けてみるのも良いかもしれません。
おすすめの記事をピックアップしておきますね。
まとめ│お母さんの健康のために
子育てに疲れているお母さんが使えるサポートやサービスをご紹介しました。
- 発達クリニックなどの病院のサポート
- 児童発達支援および放課後等デイサービスなどのサポート
- 親の会
- ペアレントメンター
- ショートステイ
- 日中一時支援
- ホームヘルプ
- 移動支援
- 一時預かり事業
- ペアレント・トレーニング
子育て自体がそもそも大変であることに加えて、仕事や家事もすることを考えるとお母さんの休む暇はありません。
忙しさや疲労はわたしたちから余裕を奪い、ミスが多くなったり怒りやすくなったりします。
そんなのは嫌ですよね。
家族などの周囲の人からサポートがあればまだ何とかなるかもしれませんが、それさえ望めない人も多くいます。
そんなお母さんたちを救うための医療・福祉サービスや団体、仲間、書籍などが実はたくさんあります。
今回をきっかけにして、身の回りにどのようなサポートがあるのか調べてみてください。
あなたに役立つ情報が1つでもあれば嬉しいです。
あとがき
今回の記事は、福祉サービスを調べながら書いていたので時間がいつも以上にかかったような気がします。
わたし自身は病院や児童デイサービスでの勤務経験があるのでそちらのほうは書きやすかったのですが、他のサービスはあまり詳しくなかったこともあり、自信を持って「どうぞご覧ください!」とは言えないです。ごめんなさい・・・。
ですが、お住まいの自治体の福祉課に聞くか、実際にサービスを提供している事業所に問い合わせるのが一番だということは今回調べてみてわかりました!
普段の生活の忙しさや子どもとの関わりの中で、あまり周りが見えなくなってしまうこともあるかと思います。
そんなお母さんたちに、「こんなにもお母さんを対象としたサービスや助けがあるんだよ」ということが伝わってくれたら良いなと願います。
参考文献
株式会社オウチーノ (2015). 「育児ストレス」に関する実態調査 Retrieved from https://o-uccino.com/corporate/company/press-release/20150916.html
LITALICO発達ナビ (2020). ワンオペ、発達障害育児に疲れたら、公的レスパイトの活用を。ショートステイ、移動支援、日中一時支援、居宅介護など費用補助もあるサービスを紹介 Retrieved from https://h-navi.jp/column/article/35027936 (2022年3月16日)
田中 康雄 (2014). イラスト図解―発達障害の子どもの心と行動がわかる本― 西東社